WORKS 2021「SHIKOU展」

東京造形大学テキスタイルデザイン専攻高須賀活良ゼミの学生8名によるグループ展「SHIKOU展」を織物の町「富士吉田市」で開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言措置により、2度の中止が余儀なくされました。

そこで、私たちは「SHIKOU展」をオンラインにて発表致します。
美大生ならではの型破りで斬新なアイデアや企画から生まれるテキスタイルと
その作品制作に至るまでの『SHIKOU』の過程をお楽しみください。

「SHIKOU展」オンラインプレゼンテーション
2021年10月16日(土)19:00〜20:50


19:00〜19:10 オープニング
19:10〜19:50 前半の部
19:50〜20:00 10分-休憩-
20:00〜20:40 後半の部
20:40〜20:50 クロージング

■ゲストスピーカー
株式会社松川レピヤン 歌う工場長 松川享正さん
大正時代に福井県で創業した細幅の織物工場。越前織で国内外の織ネームや織ワッペンなどを製造。かわいくてどこか懐かしいリボンブランド「レピヤンリボン」の企画や製造、販売すべてを統括。

株式会社奥田染工 4代目奥田博伸さん
多様で貴重な独自技術を数多く保有している、八王子の染工場。 繊維産地であった八王子にあった貴重な染色技術の数々もまた受け継ぎ保有しています。 染工場の仕事の他、日本全国のものづくりが出会い、つながることで新たな視点が生まれる場所「つくるのいえ」の運営など幅広く活躍。

■高須賀活良ゼミスピーカー
赤城愛梨 Airi Akagi
大久保晴夏 Haruka Okubo
小川莉央 Rio Ogawa
黒山真央 Mao Kuroyama
鈴木麻那 Mana Suzuki
宮田桃花 Momoka Miyata
山口莉果 Rika Yamaguchi
吉田夏菜 Nazuna Yoshida

concept
展示タイトルの『SHIKOU』には『嗜好・思考・試行・施行』という四つの意味が込められています。私達の作品制作の根底には必ずそのひと個人の『嗜好』があります。私達はその個人的な『嗜好』から『思考』し、アイデアや企画を生み出します。そして、『思考』から生み出されたアイデアの実現のため、様々な『試行』を行い、作品に必要な要素を取捨選択していきます。それらの過程を経てようやくアイデアを『施行』し作品を生み出すのです。美大生ならではの型破りで斬新なアイデアや企画から生まれるテキスタイルと、その作品制作に至るまでの『SHIKOU』の過程のプレゼンテーションをオンライン上で行います。

赤城愛梨 Airi Akagi

Point of view

空間に視点を集める、「Point of view」というテーマで椅子生地を制作した。没個性的な布張りの椅子を分解し、生地に鮮やかな柄をプリントした。その生地を裂織りにして椅子生地を再構築することで、空間のアクセントになる椅子へと作り変えた。プリントだけでは出せない質感のあるカラフルな椅子で空間を彩る。

小川莉央 Rio Ogawa

素材を見つめ直す

私達の生活の営みは、多くの動物の恩恵の上成り立っている。しかし、常にそのことを感じて生活している人は少ない。そして、文明が豊かになった今、動物の毛を刈り、一から手間をかけて物を作る人も少ないのではないか。誰もしない手間を敢えてやる。それが、恩恵を知る一歩になると思う。

宮田桃花 Momoka Miyata

好きな場所へ自由に

私たち人間は社会的な生き物で群れで行動しなければならない。そのため、言いたいこと、やりたいことなどの感情を我慢し常に消しながら生きている。そんな世の中に自分だけの空間をどこにでも作れる、自由を手に入れられるラグを制作した。

山口莉果 Rika Yamaguchi

肉を織る

食べた物が血肉となるように、経験や思考が作品の血肉となる、をコンセプトにラグを制作した。ヒトの血肉のもととなるタンパク質を多く含む牛肉をモチーフに、肉を織にどのように変換できるか挑戦した。

大久保晴夏 Haruka Okubo

時を綴る

大学2年時、授業で綴織りという糸を1本1本織り込み緯糸のみで模様を表す技法を知った。「時を綴る」をテーマに毎日同じ時間でも、日々変化していく瞬間をドローイングという形で積み重ねていった。その時間の表情を綴織の糸を積み重ねていく行為で、布に留めた。     

黒山真央 Mao Kuroyama

血脈の愛

私の家系に存在する「血脈の愛」を標本化した。呉服屋の家系に生まれ育った私の祖母は私の母に手作りの服や着物を着せ、私も母にそう育てられた。そして私はその影響から生地に興味を持ち大学で学んでいる。この慣習を祖母は「血脈の愛」と呼んだ。この家系特有の愛の形を標本として保存したいと考えた。

鈴木麻那 Mana Suzuki

線香花火を織る

国産の線香花火の素晴らしさを伝えたいと、線香花火をモチーフに、浴衣の帯を制作した。
国産線香花火は、着火から終わる散り菊の瞬間まで楽しめるようにこだわり抜かれた素材と技術で出来ている。そんな素材や技術を取り入れて制作を行なった。

吉田夏菜 Nazuna Yoshida

言葉の墓場

時間の可視化を目的とする生活と織りをリンクさせた織物制作を行った。普段の出来事や思考をTwitterのツイートとして吐き出す行為は日記のようなものであるが、私にとってTwitterは言葉の墓場なのである。誰かに発信するわけでもなくただ自分の中の言葉を消化していくような行き場の無くした言葉たち、そんな死んでいった言葉と時間の蓄積を表現した。そんな執着の源である記憶をタペストリーの中に留めた。

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